
ウズベクの結婚式のしきたり:招かれたら知っておきたいこと
週末の早朝、旧市街の屋根の上を、長く伸びる真鍮の音が渡っていきます。カルナイです。スルナイとドイラの太鼓とともに朝のカザン(大鍋)で米をにんじん、玉ねぎ、肉と一緒に炊き上げる料理。ウズベキスタンのお祝いの席には欠かせず、地方ごとに作り方が異なります。を告げています。ホテルの朝食が始まる何時間も前に、どこか近くで結婚式が始まったのです。
ウズベクの結婚式は一晩で終わるものではなく、数日にわたって親戚、近所の人、同僚、友人が集う行事の連なりです。ここでは、私たちがお客様にお話ししているように、ウズベクの結婚式のしきたりを順にご紹介します。結婚式の多い時期、朝のプロフ、嫁入り道具と、ご存じですか? 1枚のスザニは何人もの女性が同時に刺した 家族の誰か、または図案描きの職人カラムカシュが、木綿の細長い布に図案を描きます。布は家族や近所の女性たちに配られ、同時に刺繍されました。縫い合わせ直すと継ぎ目の模様がわずかにずれる――それが手仕事の証です。 詳しく見る →音楽と踊り、そして招かれたときにどうすればよいか。
結婚式の多い時期
おもな結婚式シーズンは気候の穏やかな春と秋で、人気の会場は半年ほど前に予約で埋まります。招待客が数百人に及ぶことも多いため、夜の披露宴はたいていレストランか結婚式場トゥイホナで開かれます。4〜5月や9〜10月に旅をすれば、招待がなくても、通りで結婚式の一行を見かけたり、式場から音楽が聞こえてきたりすることでしょう。
準備はずっと前から始まります。両家は家族会議マスラハトですべてを話し合い、最初の正式な一歩が婚約ファティハ・トゥイです。新郎の家族が花嫁の家に菓子や贈り物を届け、両家がともにパンを割ります。
朝のプロフ:朝食前の結婚式

結婚式の前の晩、男たちが集まってプロフ用のニンジンを刻みます。サブズィ・トゥグラルと呼ばれる習わしで、楽師が加わることもよくあります。夜明けには、あらゆるプロフのなかでもっとも儀礼的なナホル・オシ、朝のプロフが振る舞われます。ゲストは午前6時から9時ごろのあいだにやって来て、年長者が役割を割り振り、大皿ラガン一枚を二人で分け合います。伝統的に男性の集まりで、300人以上になることも多く、ホテルの朝食が始まるころには婚礼のプロフはもう食べ終わっています。
ここでプロフは単なる料理ではありません。2016年、ユネスコはウズベキスタンのプロフ文化を無形文化遺産に登録しました。その役割をよく表すことわざがあります。客は、プロフを振る舞われてはじめてその家を後にする、と。街ごとの違いはウズベキスタンのプロフのガイドで紹介しています。
嫁入り道具とスザニ
カルナイ、スルナイ、ラズギ

カルナイは長い金属製のトランペット、スルナイは音の大きいリード楽器で、ドイラと合わせてウズベクの結婚式の音そのものです。かつてはその音自体が招待状でした。マハッラじゅうに響き、誰もが歓迎されていると知ったのです。楽器と、それを聴ける場所についてはウズベキスタンの音楽をご覧ください。
歌と踊りは朝から夜遅くまで続き、ゲストも加わるよう勧められます。多くの結婚式では、花嫁が実家を出るときにヨル・ヨルという歌が歌われます。ホラズムの踊りはご存じですか? ホラズムの踊り「ラズギ」はユネスコ無形文化遺産 ホラズム地方の踊りラズギは2019年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。自然の音や愛と喜びを表現し、古代遺跡トプラク・カラの壁画から数百年来の起源がうかがえます。 詳しく見る →で、2019年にユネスコに登録されました。家族や地域の催しで踊られ、見ている人が自分から踊り出すこともよくあります。翌朝はケリン・サロム、「花嫁のあいさつ」です。若い妻が夫の親戚にお辞儀をし、親戚は贈り物と祝福の言葉を贈ります。
招かれたら
結婚式への招待は本当に名誉なことで、ここの人々は心から招いています。いくつかのことを知っておくと、その日を過ごしやすくなります。
- 贈り物。ゲストはふつう現金か家庭で使う品を贈ります。私たちは現金を封筒に入れ、両手で手渡します。
- 服装。お祝いの席にふさわしく、きちんとした清潔な服で、露出の多すぎない装いを。
- まず年長者にあいさつを。右手を胸に当てて軽く会釈すれば、誰に対しても失礼になりません。男性どうしは握手をします。女性に対しては、相手が手を差し出すのを待ちましょう。
- 出されたものは受け取る。お茶、パン、プロフが次々と出てきます。おなかがいっぱいでも、どれも少しずつ味わってください。
- 踊りの輪に加わる。誰かに輪の中へ引き込まれたら、応じましょう。ステップを知っていることなど誰も期待していません。
- 写真。人を撮る前には、特に花嫁を撮る前にはひと声かけ、最前列は公式カメラマンに譲りましょう。朝のプロフや家族の儀式では、主催者から撮影を勧められない限り、スマートフォンはポケットにしまっておきます。
あいさつ、玄関で靴を脱ぐこと、食卓のマナーについてはウズベキスタンで何を着て、どう振る舞うかに、笑顔を引き出すひとことは旅行者のためのウズベク語フレーズにまとめています。
年長者、家族、そしてマハッラ
どの結婚式の背後にも、家族と地域があります。年長者への敬意はウズベクの家族のいちばんの特徴です。年長者は家族会議を取り仕切り、朝のプロフで仕事を割り振り、真っ先にあいさつを受けます。古くからの地域共同体マハッラも多くを担います。朝のプロフの日取りはマハッラと相談して決め、近所の人たちが親戚と一緒に料理し、運び、給仕します。
マハッラのチャイハナ(茶店)。タプチャンと呼ばれる広い木製の縁台で、緑茶やプロフ、おしゃべりを楽しみます。は、いまも家族の大きな行事が開かれる場所です。その仕組みと、地元の人のようなお茶の飲み方はお茶とチャイハナのガイドで紹介しています。いちばん華やかなマハッラの姿はウズベキスタンのナヴルーズで描いています。
旅行者として体験するには
結婚式は家族の行事なので、予約することはできません。私たちが手配できるのは、その周りの夕べです。ブハラでは地元の家庭での夕食を、ヒヴァではヒヴァの家庭での同じような夕べをご用意しています。旅のなかでウズベクの家庭の暮らしにいちばん近づける機会です。サマルカンドでの団体やMICEイベントには、私たちのフォークロアショーが30分、出演者9人で夕食を彩ります。婚礼の儀式、花嫁の買い戻し、プロフの踊り、ホラズムのラズギが含まれます。ヒヴァでは2年に1度、4月25日から30日まで、ご存じですか? 伝説:ラズギは魂に命を吹き込んだ音楽 ホラズムの伝説では、最初の人間が粘土で形づくられたとき、魂は体に入るのを恐れていましたが、天上の音楽を聞いて入りました。まず指や手首、肩が動き出し、その音楽こそがラズギだったといいます。名は「震える」を意味する古語に由来するとされます。 詳しく見る →が開かれます。
まとめ
- おもな結婚式シーズンは春と秋。披露宴は大規模で、招待客が数百人になることも珍しくありません。
- 一日は夜明けのナホル・オシ、朝のプロフから始まります。大皿一枚を二人で。
- 嫁入り道具サルパには布や絨毯が含まれ、スザニはいまも新婚夫婦の部屋を飾ります。
- カルナイ、スルナイ、ドイラが結婚式を告げます。ホラズムの踊りはラズギです。
- 招かれたら:現金か家庭用の贈り物、きちんとした服装、まず年長者に。写真は必ずひと声かけてから。




