ウズベキスタンで何を着て、どう振る舞うか
ウズベクの食卓では、最初の一杯のお茶が客に届くことはありません。主人はお茶を注ぎ、ポットに戻し、それを三回繰り返します。四回目に注いだものがようやくあなたの分で、器には半分ほどしか入っていません。けちなのではありません。私たちにできる最大のもてなしなのです。
私たちはタシケントの会社で、20年にわたりお客様にウズベキスタンを案内してきました。私たちの習慣は、誰かが説明してくれれば簡単に守れます。そこで、旅立つ前の友人にいつも話していることをまとめました。何を着るか、どう挨拶するか、家に招かれたらどうなるか、そしてナン、お茶、ラマダンとの付き合い方です。

街で、モスクで何を着るか
タシケントでは、ヨーロッパのどの都市とも同じような服装で大丈夫です。ジーンズ、夏のワンピース、Tシャツ。誰も振り返りません。暑い日には男性は膝丈のショートパンツをはき、街中ならまったく問題ありません。大都市を離れると暮らしはより伝統的になり、丈の長い服のほうがお互いに気楽です。
モスクや廟は別です。そこでは男女とも肩と膝を覆い、女性はモスクに入る前にスカーフで髪を覆います。短すぎるショートパンツ、袖なしのトップス、ミニスカートはふさわしくありません。薄手のスカーフをバッグに入れておけばたいていのことは解決し、その場所ごとの決まりは入口の掲示に書かれています。
礼拝堂には絨毯が敷かれていて、靴は敷居のところで脱ぎます。観光で一日歩き回るなら、ひもなしの靴がかなりの時間の節約になります。中では小声で話し、礼拝している人の前を決して横切らないでください。礼拝中なら、少し時間をおいてからまた来ましょう。
暑さ・寒さ対策に何を持っていくかは月によって違います。旅行のベストシーズンの記事で詳しく紹介しています。
挨拶と写真
男性同士は握手で挨拶し、そのあとに健康や家族、旅のことを尋ねるのが普通です。これは社交辞令ではありません。答えて、こちらからも尋ね返しましょう。右手を胸に当てて軽く会釈することもよくあります。女性に対しては、私たちは相手を待ちます。女性が手を差し出したら握手をし、そうでなければ胸に手を当てて会釈するのが正しい挨拶です。冬は握手の前に手袋を外しましょう。
年長者には最初に挨拶し、いちばん良い席を譲ります。バスや食卓で、頼まれる前に年配の方へ席を譲ってみてください。ここでそれがどれほど大切にされているか、きっとわかります。
人を撮る前には、ひと声かけましょう。笑顔でカメラを示すだけで十分で、たいていの人は応じてくれますが、断られたらそれまでです。礼拝中の人は決して撮影しないでください。歴史的な名所はほぼすべて撮影できますが、施設が独自に定める撮影料を別に取るところもあるので、チケット売り場で尋ねてください。政府の建物、軍事施設、空港、警察署にはカメラを向けないでください。
ドローンには民間航空庁の事前許可が必要で、申請は数週間前に行います。許可なしに飛ばすと、特に歴史的建造物の近くでは、罰金とドローンの没収につながることがあります。それから、パスポートは常に携帯してください。警察は実際に書類を確認します。

家に招かれたら:靴、贈り物、ダスタルハン
ウズベクの家庭に招かれることは、旅で起こりうる最高の出来事です。玄関で靴を脱ぎましょう。ちょっとした手土産を持っていきましょう。お菓子、果物、あるいはバザールで買ったナンを二枚ほど。私たち自身もまさにそういうものを持っていきます。帰り際にホストが何かをくれたら、受け取ってください。贈り物を断るのは失礼にあたります。
主賓は扉からいちばん遠い席に座ります。入口から遠いほど、敬意が大きいのです。ダスタルハン、つまり私たちの食卓は、低いテーブルのこともあれば、床に広げた布のこともあり、周りにはクッションやクルパチャと呼ばれる敷き布団が置かれます。食卓が空っぽに見えてはいけないので、料理は次々と運ばれてきます。訪問はお茶に始まりお茶に終わり、予定より長引くことも多いので、その晩は詰まった予定を入れないでください。
ナンとお茶
パン、つまりナンは、私たちの食卓でいちばん大切にされているものです。決して裏返しに置かず、ナイフで切ることもありません。主人が手でナンをちぎり、皆に分けます。ナンは床に置かず、捨てることもしません。ウズベク人は地面にナンのかけらが落ちているのを見ると、拾い上げ、口づけをし、額に当ててから、清潔な場所に置きます。
お茶を注ぐのは主人か女主人です。ポットに三回戻すこの作法はカイタル(qaytar)と呼ばれ、ウズベク語の「戻す」に由来します。こうすることでお茶がしっかり出ます。そのあと、指をやけどしないよう、少しだけ注いだ器が手渡されます。器のお茶が少ないほど主人はこまめに注ぎ足し、その一回一回がささやかな心遣いの表れです。縁までなみなみと注ぐのは、私たちのもてなしの考え方に反します。
路上や公園など公共の場所での飲酒は禁止されています。お酒はレストランで楽しみましょう。チップは任意です。支払い方法や金額の目安はカード、現金、チップの記事をご覧ください。
ラマダン
ウズベキスタンは世俗国家で、ラマダン中もタシケントのカフェやレストランは日中営業しています。断食を求められることはありません。お願いしたいのは心配りだけです。日中、路上でこれ見よがしに食べたり飲んだり、たばこを吸ったりしないでください。
断食明けの食事イフタールは日没直後に始まります。この時間はレストランが混み合い、メニューを変える店もあり、礼拝の時間にはモスク周辺の通りがにぎわいます。人気店で夕食をとりたいなら、席を予約するか遅めに行きましょう。ラマダンの日程は毎年変わるので、航空券やホテルを予約する前に確認してください。
ラマダンはイード・アル=フィトル、ウズベク語でラマゾン・ハイイティで終わります。私たちは「Hayitingiz muborak boʻlsin!」(祭日おめでとう)と挨拶を交わし、家族を訪ね合い、客をカザン(大鍋)で米をにんじん、玉ねぎ、肉と一緒に炊き上げる料理。ウズベキスタンのお祝いの席には欠かせず、地方ごとに作り方が異なります。や甘いものでもてなします。
そのほかの準備については両替のガイドをご覧いただくか、ツアー検索やツアーカタログでルートをお選びください。
まとめ
- 街では普段どおりの服装で大丈夫。モスクや廟では肩と膝を覆い、女性はスカーフを着用し、絨毯の上では靴を脱ぎます。
- 男性同士は握手、胸に手を当てる挨拶は誰にでも使えます。人を撮る前にはひと声かけましょう。
- 家庭訪問では玄関で靴を脱ぎ、ちょっとした手土産を持参し、いただいたものは受け取りましょう。
- ナンは裏返しに置かず、ナイフで切らず、地面に放置しません。半分だけ注いだお茶は敬意のしるしです。
- ラマダン中もカフェは営業しています。ただ、日中に路上でこれ見よがしに食べたり喫煙したりするのは控えましょう。

