
この記事で紹介している場所: タシケント
タシケント発カザフスタン・キルギス周遊ルート:トルキスタンからイシク・クル湖、チャリン、アルマトイへ
夕方6時、イシク・クル湖の北岸にはもうほとんど光が残っていませんでした。懐中電灯を手に岩のあいだを歩いていると、暗がりからアイベックスが現れました。背中まで反り返った角、手で石に刻まれた線。その夜は、2019年11月に私たちが車で走った周遊ルートのちょうど真ん中でした。タシケントからカザフスタン南部を抜けてキルギスへ、湖をぐるりと回り、再び国境を越えてアルマトイへ。区間ごとにご紹介します。
区間1:タシケントからトルキスタン、ヤサヴィー廟へ

トルキスタンはタシケントからシムケント経由で約300km、途中で国境を一度越えます。目的地はホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟。1389年にアミール・ティムール(タメルラン、1336〜1405年)は、サマルカンドを都としたティムール帝国の創始者。シャフリサブス近郊の生まれです。が建設を命じました。1405年にティムールが亡くなると工事は止まり、正面の門は今もむき出しのレンガで、木の梁が突き出たままです。中に入ると、大広間のドームは直径18.2m。中央アジアに現存する最大のレンガ造りのドームです。2003年からユネスコ世界遺産に登録されています。
ここで一泊しましょう。建物群がいちばん美しいのは朝の光の中です。この区間について詳しくは、私たちの記事タシケントからトルキスタンへをご覧ください。
区間2:タラズとアイシャ・ビビ廟

シムケントから道は東へ176km、タラズまで続きます。街の18km手前、アイシャ・ビビ村で車を停めてください。11〜12世紀の小さな霊廟には釉薬も色もなく、60種類以上の文様を彫ったテラコッタのタイルだけでできています。太陽が低い時間に訪れると、壁一面に細かな影の網が浮かびます。
六つの川は渡れても七つ目は渡れなかった娘の伝説は、私たちのアイシャ・ビビ廟の記事にあります。
区間3:ビシュケク、ブラナの塔とバルバル

タラズから国境を越えてキルギスに入り、ビシュケクまで走って一泊します。翌朝、最初の立ち寄り先は湖へ向かう途中にあります。
ブラナの塔は、ビシュケクの東約80km、トクモク近くの野原に立っています。カラハン朝の都市バラサグンに残る11世紀のミナレットです。かつては高さ約45mありましたが、15世紀の地震で25mになりました。内部の狭い階段で頂上に上がると、谷の向こうに雪をかぶったキルギス山脈が見えます。
塔のまわりには、6〜10世紀のテュルク系遊牧民の石の墓標、バルバルが並んでいます。バラサグンはユネスコ世界遺産「:中国と地中海を結んだ隊商路のネットワーク。サマルカンド、ブハラ、ヒヴァはその中継地として栄えました。長安-天山回廊の交易路網」の構成資産です。
区間4:イシク・クル湖北岸とチョルポン・アタの岩絵

イシク・クル湖は標高1607mにあり、チチカカ湖に次ぐ世界第2位の山岳湖です。水に塩分を含むため、冬でもめったに凍りません。道は北岸に沿って、砂浜や保養地の村を抜けながらチョルポン・アタまで続きます。
町はずれに岩が散らばる野原があり、およそ紀元前800年から紀元1200年にかけてのご存じですか? 数千年前に岩に刻まれた野生ヤギ タシケントから約70kmのホジケント村近く、チルチク川を見下ろす岩に90以上の岩絵があり、多くは野生のヤギです。見事なものは紀元前4〜3千年紀のものとされます。 詳しく見る →が約2000点あります。いちばん多いのは長い角が後ろへ反ったアイベックスで、ある岩には、狩人が飼いならしたユキヒョウを群れにけしかける場面が刻まれています。夕方に来るのがおすすめです。多くの岩は西か南を向いていて、低い日差しが線を浮かび上がらせます。私たちは日暮れに着きました。美しいですが、懐中電灯をお忘れなく。
区間5:カラコル

カラコルは湖の東端近く、ビシュケクから約380kmの町です。いちばん有名な二つの建物は、どちらも木造です。
聖三位一体大聖堂は、地震で以前の石造りの教会が壊れたあと、1895年に完成しました。地震の多いこの地域では、あえて木で建てたのです。ソ連時代には学校、体育館、劇場として使われ、1991年に教会へ返されました。
ドンガン・モスク

数ブロック先には、中国の寺院のようなモスクがあります。カラコルに住みついた中国語系のムスリム、ドンガン人のために、北京から来た建築家と職人たちが建て、1910年に完成しました。木の柱が42本、果物や花を彫った多層の軒飾り、そして釘は一本も使われていません。今も礼拝に使われているモスクなので、控えめな服装でどうぞ。
区間6:ジェティ・オグズとスカズカ渓谷

カラコルの南西には、赤い礫岩の崖が続くジェティ・オグズの谷が開けています。ある尾根は「七頭の雄牛」、別の岩は「壊れたハート」と呼ばれます。崖は1975年から保護された自然記念物です。
さらに西、南岸のトソル村の近くには、「おとぎ話の渓谷」スカズカがあります。風と水が赤や縞模様の粘土を削り、城壁や塔や竜の形にしました。散策は短く、気軽に歩けます。
区間7:チャリン峡谷と「城の谷」

カザフスタンに戻ると、チャリン峡谷はアルマトイの東約200km、2004年に設立された国立公園の中にあります。場所によっては崖の高さが150〜300mに達します。
「城の谷」は長さ約3kmの支谷で、オレンジと灰色の地層が重なる岩壁に挟まれています。谷底の小道を進むと、その先はチャリン川。11月でも流れは速く、緑色でした。しっかりした靴で。帰りの上りのほうが急です。
区間8:アルマトイとカザフ民族楽器博物館

旅の終わりは、雪のアルマトイでした。パンフィロフ公園には1908年築の赤い木造の建物があり、かつては将校クラブでした。1980年からはカザフ民族楽器博物館になっています。収蔵品は1000点以上、最も古いものは17世紀。コブズやドンブラ、ハープや角笛、そしてアバイ、ジャンブル、ディナ・ヌルペイソワが使った楽器もあります。峡谷のあとの、暖かく静かな午前です。
何日かかる?どんな順番で?
私たちは約1週間でこの周遊を走りましたが、かなり駆け足でした。ゆったり回るなら11日をおすすめします。
| 日 | ルート |
|---|---|
| 1 | タシケント → トルキスタン |
| 2 | 午前トルキスタン → タラズ、アイシャ・ビビ |
| 3 | タラズ → ビシュケク |
| 4 | ビシュケク → ブラナ → チョルポン・アタ、夕方に岩絵 |
| 5 | チョルポン・アタ → カラコル |
| 6 | カラコルとジェティ・オグズ |
| 7 | 南岸沿いに、スカズカ → ビシュケク |
| 8 | ビシュケク → アルマトイ |
| 9 | チャリン峡谷、アルマトイから日帰り |
| 10 | アルマトイ |
| 11 | 夜行列車でタシケントへ戻る、または飛行機で次の目的地へ |
5月から10月には近道があります。季節運用のカルキラ国境検問所がカラコル方面とチャリンへの道を結んでいるので、ビシュケク経由で戻る必要がありません。シーズン外は閉鎖されています。
国境の越え方
周遊全体では国境を4回越えます。ウズベキスタン→カザフスタン、カザフスタン→キルギス、キルギス→再びカザフスタン、そして戻る場合はカザフスタン→ウズベキスタン。ビシュケクとアルマトイのあいだは通常コルダイ検問所を使い、24時間開いています。国境越えの日は予定を詰め込まず、向こう側では現地の車とドライバーに乗り換えます。
入国条件はパスポートによって異なるので、予約前にカザフスタンとキルギスの条件を確認してください。ウズベキスタンについては、私たちのガイドウズベキスタンにビザは必要?をご覧ください。電子入国の条件はお持ちのパスポートによって異なります。入国後は滞在先ごとに3日以内の登録が必要ですが、ホテルが代わりに行います。税関と滞在登録のルールはガイド記事をご覧ください。 詳しく見る →でウズベキスタンに再入国する場合は、2回またはマルチプルの入国ビザが必要です。
ベストシーズン
私たちが行ったのは11月。正直に言うと、寒いです。カラコルとアルマトイには雪があり、日は短く、6時にはもう真っ暗でした。そのかわり、峡谷も岩絵もほとんど人がいませんでした。
この周遊には、5月下旬から10月上旬がおすすめです。6月と9月は湖も峡谷も快適で、カルキラ検問所も開いており、ウズベキスタンの街も暑すぎません。
ウズベキスタンの旅との組み合わせ方
周遊はタシケントで始まりタシケントで終わるので、シルクロードの街の前後に自然に組み込めます。まず首都で1日過ごすならタシケント1〜2日をどうぞ。アルマトイからは毎日運行のタルゴ夜行列車で約18時間、飛行機なら約1時間半でタシケントに戻れます。そこからサマルカンド、ブハラ、ヒヴァへ。
ウズベキスタンと周辺国の組み合わせ方は、中央アジアツアーのガイドでも紹介しています。5か国すべてを回りたいなら、ビシュケクとアルマトイも含む23日間のシルクロードツアーをご覧ください。この周遊はプライベート旅行として手配します。ツアー検索からご希望の日程をお知らせください。
まとめ
- 周遊ルート:タシケント、トルキスタン、タラズ、ビシュケク、ブラナ、イシク・クル湖、カラコル、ジェティ・オグズとスカズカ、チャリン、アルマトイ。
- 私たちは1週間で回りましたが、ゆったりなら11日です。
- チョルポン・アタの岩絵は夕方に、アイシャ・ビビのタイルは低い日差しの中で。
- 国境は4回:ご自分のパスポートの入国条件を確認し、ウズベキスタンに戻るならマルチプルの電子ビザを。
- 5月下旬から10月上旬が旅しやすい季節。11月は寒く日暮れも早いですが、静かです。



